300円と3Dプリンタで腕時計の電池を交換した話
こんにちは
先日こじ開け式の腕時計の電池を自分で交換してみました。税込みで330円です。
目次
※注意
3Dプリンタの値段を抜くなよという話もごもっともですが、最近は自分で持っていたり友人が3Dプリンタを持ってるという人も少なくないと思うので、そこはどうか、、、
(お店に行けば多分千円程度ですが、そういう事じゃないんですよね。あはは。
はじめに
今回電池交換をしたのはFossilのこじ開け式5気圧防水(5ATM)の腕時計です。ネジ式やスクリュー式ではないです。このシリーズです。フレームは同じだと思います。
また、蓋を開ける際に少しだけ傷が付きました。個人的には腕時計なんて自然と傷が付いてしまうものだと思っていますので気にしません。
ただ防水性能は落ちてしまったかもしれません。これは確認のしようが無いので何とも言えませんが、電池交換が前提なわけですし多分大丈夫だと思います。多分……
蓋開け(+100円)
全てはここから。
こじ開け式、良い名前ですよね。(?)
蓋には開ける為の突起があります。本体と突起の隙間に工具を差し込んで持ち上げることで蓋を開けます。ドロップ缶と同じです。
専門の工具があります。こんなの。
これを買ってもいいのですが、今回は手元の1.4mm精密ドライバーでこじ開けました。幅が狭いですが、これ以上大きいと隙間に入りませんでした。持ってなければ100円です。
手前にペンなどを置いててこの原理で力を入れました。この時出来るだけ押し付けるようにすると良いと思います。
あまり力を入れ過ぎても開いた拍子にパッキンや内部を傷つけてしまうと思うので、こう、良い感じに、、、
電池交換(+100円)
電池を買います。私の時計の電池はSR621SWという型でsony製でした。同じ型の物が100円ショップで売ってたのでそれを買いました。通販で純正と同じものを買えばさらに安くなります。多分電池の持ちも良いと思います。
良く調べてませんが腕時計用の電池にはデジタル用とアナログ用があるらしく、型番の末尾で判別します。アナログがSWでデジタルがWです。今回はアナログ用ですね。
参考:
SR〇〇〇SWとSR〇〇〇Wなどの[SW]と[W]の違い PZ18201 - リチウム電池/ボタン形電池 - Panasonic
私が買った電池には書いてありませんでしたが、左下の表記を先のPanasonicの説明に当てはめればWタイプのようです。買っちゃったので使いますが少し後悔しました。
電池を取り外す際にも精密ドライバーを使用しました。この作業は内部を傷つけないように慎重に行います。
蓋が閉められた方はここで解散です。お疲れさまでした。
でもこれを読んでる人は閉められないから読んでるんだと思います。ざーこざーこw
蓋が閉まらない
ここまでは簡単でした。だらだら書きましたが、言ってしまえば蓋を開けて電池を交換するだけなので。
マジで何をやっても閉まりませんでした。とにかくまっすぐ押し込むしかないのですが、防水のためもあってか死ぬほど堅かったです。いろいろなサイトを参考にしましたが、成人男性が本気で押し込んでもダメだったのでこの個体に限っては多分不可能です。
そういう時用に専用の工具があります。
専用工具なのに1500円程度で割と安いですが、邪魔ですよね。なので却下。
工具(+100円)を使うためのコマを3Dプリンタで作る(プライスレス)
腕時計を見ればわかりますが、時計本体と蓋を押さえつけようとする際,何も工夫をしないと本体側はガラスを押すことになります。あまり強い力をかけると割れるらしいです。(本当かは知りませんが確かに可能性はありそうです
ですので、なおさら汎用の工具で無理やり締め付ける訳にはいきません。
どうしてもというなら止めませんがガラスが割れ、筐体は傷だらけになり蓋が歪んで防水性能が死ぬくらいは覚悟した方が良いと思います。
ということで、工具(クランプ)で挟む際に使うコマを自作しました。
コマって何という人はさっきのAmazonのリンクを見てください。
まずは3D CADで元となるデータを作成します。使用したのはFreeCADという無料の3D CADです。割と使いにくいです。使い方は割愛します。
これで時計と蓋を挟み込む算段です。専門工具は参考にしてませんが同じようなものだと思います。緑色のところが実際に時計と接触する部分です。上面はガラスの外側のフレームのみにコマが当たるように、蓋側も実際に刺さる部分の真裏にコマが当たるようにモデリングしました。蓋側は蓋がずれないように縁も付けました。語彙力が皆無で上手く説明できません。感じてください。
上面のフレームは斜めにカットされてますが、楽をするために面取りで再現しようとしたところ45度しか設定できませんでした。(おのれFreeCAD)実物を見ると明らかにもう少しなだらかですが面倒くさいのでこのまま印刷します。正確に測る道具もありませんし。
また私はしませんでしたが、せっかく作るならリューズ(時間合わせ用のネジ)や装飾があればそこも当たらないように抉った方がいいと思います。締め付ける際には素手では掛けられない程度の力を加えるわけですから、ミスしたら折れてたなって思います。
とりあえずデータが作れたので3Dプリンタで印刷します。1つ15分程度でしょうか。蓋側を2回修正したので全部でちょうど1時間くらいですね。モデリングは修正を合わせても1時間かかってないと思います。
蓋を閉める
パッキンは交換しませんでした。まだ数年目なので多分まだ大丈夫。多分。
印刷出来たらクランプと呼ばれる工具で挟みます。クランプは何かを固定するための工具ですが、これでいいのです。100円です。これは普通にお買い得です。写真では直接挟んでいますが時計が傷が付かないように布等を挟んだ方がいいかもしれません。また、蓋には向きがありますので気を付けてください。
後はこれをゆっくり締め付ければ、蓋が閉まります。一件落着。
締め付けた際パキッっと音が鳴りましたが、これは蓋が閉まった音なのかコマが折れた音なのか不明です。多分閉まった音だと思います。
というのも、締め付け後に上面のコマを見ると、角度がを合わせていなかったので変に力が掛かってしまい一か所折れていました。ここの音だったのかもしれません。
(これがリューズの位置だったらまずかったかもしれません
最後に
ここまで書いて思ったのですが、めちゃくちゃ面倒くさいですね。ですが、私は楽しかったでやってみて良かったと思っています。休みの日の暇つぶし程度にはなるのではないでしょうか。そもそも蓋が閉まれば一瞬ですし。
のべ作業時間は買い物を含めても3時間ほどでした。人件費は考えません。DIYとはそういうモノなので。
簡単にできるかなと思って手を付けた電池交換ですが、少し手こずったので備忘録目的と情報共有の為に書きました。誰かの参考になれば幸いです。